WordPress

専門知識不要。手軽に自前更新!

WordPress

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)として高いシェアを誇るWordPress。骨格にして構築することで、機能性を持たせたサイトを比較的廉価に作ることが出来ます。概要からカスタマイズ例、導入上の留意点、メリット・デメリットなどを記します。

WordPressとは

wapuu

WordPressとは、PHPで書かれたオープンソース* のブログシステムです。[ WordPress.org 日本語 ] [ Wikipedia ]

* プログラム構造が開示されており、無償でダウンロードして使用できるソフトウェア

商用利用OK・ライセンス料不要、インストールが簡単、高機能で洗練されたUI/UX、ブログエンジンを軸にしつつも一般的なWebサイトとの親和性が極めて高く、カスタマイズ性が良好。

様々なサイトのバックボーンで稼働しており、世界中の全Webサイトのうち、実に4割強がWordPressだと言われています(2023年8月現在)。

そして、Webサイト用の汎用CMS(管理/更新システム)におけるシェアは7割に迫る勢いであり、実質的な/市場支配的なスタンダードCMSと言え、今やWeb制作をWordPress抜きに語ることは出来ません。一般事務用のPCソフトで例えるならば、Microsoft Office にも似た存在です。

そら豆アイコン豆知識: 静的サイトと動的サイト
解説を読む (クリックで開閉)

CMSを使用しない構造のWebサイトは、一般に「静的サイト」と呼ばれます。対して、データベースで動くCMSを骨格に持つものは「動的サイト」と称されます。

静的サイトは「既に情報が書き込まれた紙をパッと見せる」イメージ。動的サイトは「ウラ側の倉庫に膨大な情報が整理整頓して格納されており、リクエストに応じた組み合わせで荷出し~箱詰めして出荷」というイメージです。

”動的” とは、ブラウザアクセスの内容に応じて「動的に表示を生成する」というところから来ています。出荷するモノ(データ)を倉庫(データベース)に取りに行く人が ”動く” 、そこの部分を指して ”動的” と言っていると理解すればおおむねOKです。

動的サイトの代表格としては、ニュースサイト、YouTube、各種SNS、中古車や物件情報のサイト等々があります。情報の再利用性・組み合わせ・関連付けの自由度が高いのが特徴です。これらの例では、多くの場合 ”専用設計のCMS” が稼働しています。

専用設計で動的サイトを全てイチから作る、CMSを完全オーダーメイドで構築するには、相応の工期・費用が掛かります。

WordPressは非常に高機能でありながら無料で商用利用できる → 動的サイトを比較的短納期かつ廉価に(=開発費用を抑えて)作れるという性格も、世界中で重宝されている一因です。

当方でもWordPressをカスタマイズしての構築を承っております。(このサイトもそうです🙂)

※ 以下、WordPressを「WP」と省略する場合がございます

そんなにいいの? 超便利なの?

Web専門業者ではなくても(パソコン等にアレルギーが無い方なら、少々調べて知識をつければ)ご自身でサーバーにインストール ~ 写真・文章を入れるなど少々の設定をするだけで、Webサイトの体裁で稼働させることも可能です。

静的サイトを書き換えるには、HTMLの知識や、それを編集するソフトウェア:エディタ、FTPソフト等が必要になります。ゆえに、更新の際には「(Web屋さんに原稿や写真を渡して)これこれこういう更新をしてください」と依頼する、という流れが一般的です。

対して、WordPressをCMSとして使用すると、ブラウザで管理画面にログイン ~ サイトオーナーさん自身で・ブログ投稿の要領で記事を追加したり、ページ内の特定箇所を編集・更新することが可能となります(HTMLの知識が無くても可能です)。

”WP利用” と ”WPでの構築” の違い

無料で自分でも出来るのに、何でお金出してまで
プロに作ってもらうの? イマイチわかんねーッス
サイトの目的と、その目的に沿うためには、
どんな作りこみが吉かによって違ってきますからね

WPインストール直後はごくシンプルな編集しかできませんが(WP固有のブロックエディターでレイアウト・文面を作成する形)、カスタマイズを施すことで、サイト更新・管理の定型業務を劇的にやりやすくすることが出来ます。

目的を踏まえ、そのサイトにはどんな機能性が求められるか? という問いの答えとして、WordPressカスタマイズが「費用対効果上」とても良い選択肢となる場合が多いのです。それゆえ、WPは爆発的にシェアを拡大し、多くの支持を得ているとも言えます。

実例を見てみましょー!
WordPressおもて側-当該銘柄の表示

▲おもて側 (サイト側) の表示
実際のページを見る


WordPress管理画面-カスタム投稿-お酒の編集

▲うら側 (管理画面) 編集要領

上図は、サイト上に表示する自社商品の管理をしやすいようにカスタマイズを施した例です。併せて、普通のブログ機能・イベントカレンダー機能なども統合して構築しています。

汎用性が高く、様々な用途に向きます

もちろん商品管理に限らず、目的・やり方・発想次第で、色々な方面で威力を発揮します。

「ホームページの更新を要するたびにWeb業者さんに依頼する」のではなく、適宜、サイトオーナーさんご自身や、社内スタッフの手で内容を追加更新してゆきたい・・という場合にはメリットが大きく、WordPressでの構築はとてもお勧めです。

たとえばこんな目的・用途に

  • ブログを自社サイト内で書いてゆき、Web集客に役立てたい
  • ブログ記事をトップページや関連ページに表示させたい
  • 商品画像・スペック・説明などを登録して、整然と管理・表示させたい
  • 住宅リフォーム施工事例 Before/After を、写真付きで随時更新したい
  • サイト内に作品ギャラリーを設置し、更新をしてゆきたい
  • イベントの告知やレポートを掲載したページを作り、適宜更新をしてゆきたい

ざっくり表現すると、定型的な情報更新や、ロングテールSEOで集客を図りたいビジネス向けのサイト構築にとても適したツールと言えます。

なぜWeb集客やSEOに向くツールなのか

稼働のさせ方、構造・動作としては [自社ドメインのあるサーバー内に設置(インストール)する] ⇒ [記事投稿する] ⇒ [自ドメインサイトのページ数が増える] という形になります。

そのため、上手く使うことでサイトの ロングテール化 を図ることが出来、ニッチな検索キーワードからの流入を増やす事も可能 ⇒ お客様に合わせたSEO を継続的に行えるツールに成り得る点は、WordPressを利用する中でも最大のメリットと言えます。

詳しくは後述しますが、まずは論より証拠、百聞は一見に如かず。 当方でWPサイトを構築した事例をご紹介します。どんな目的のために・何をどうやったか、実際のサイトがどのように動作するか、是非見て&触ってみてみてくださいね!

飯田真樹先生 ウェブサイト イメージ
作曲家 飯田真樹 様
作曲家 音楽指導者育成
iidamaki.com
あんこ椿 様
お酒・発酵食品 製造直売
encoretsubaki.com
WordPressマルチサイト構築事例
レンズ製造業 事業部サイト
tokaiopt.jp
錦見電気工事 様
電気工事
nishikimi-ec.co.jp
Dog Salon MOFU 様
トリミングサロン ミニドッグラン
dogsalonmofu.com
後藤隆一 税理士・公認会計士事務所 様
税理士 公認会計士
cpa.goto-ryuichi.com
信栄フエルト工業 様
フエルト・繊維製品 製造加工
shinei-felt.co.jp
Rize (ライズ) ブランドサイト
Rize ブランドサイト
お酒
rize.encoretsubaki.com
日本交渉学会 様
学会 日本学術会議認定団体
japan-negotiation-society.org
すずかぜ法律事務所 様
弁護士業
suzukaze-law.net
愛知模型コンサルタント 様
模型製作 展示製作・メンテ
aichimokei.co.jp
POWERZONE(パワーゾーン)様
ツアー予約サイト 登山・スキー
powerzone.co.jp

導入検討にあたり

既製テーマ(無料/有料テーマ)と オリジナルテーマ

(冒頭でも少し触れましたが)Web制作業者に依頼しなくても、サイトオーナーさん自身でも「WordPressサイトを立ち上げること」は十分に可能です。

サイトの性質や目的などによっては、むしろ業者に依頼するのはやめた方が良いのでは? ご自身で頑張ってみられては? という場合も少なからずあります。

例えばブログでPVを集めて、アフィリエイトで広告収入を稼ぐことを目的とするような場合や、兎にも角にも安く上げたい*!という場合などには、ご自身でWPインストール ~ *既製の無料テーマや有料テーマ(数千円ぐらいからアリ)でのDIY構築が吉と思います。


一方、ビジネスサイトとして、いわゆるコーポレートサイト然としたものが欲しいという場合。

もちろん、既製の無料/有料テーマを使ってもWebサイトの体裁には出来すが、サイトを見た方の印象が「あれ? これって、あっちの会社と同じじゃない?」 という風になることも起こり得ます。

自社のロゴや看板を、”既製品流用” して他社と同じになんかしないですよね? 普通は(^_^;

また、既製テーマに搭載されている機能や設定箇所が、帯に短し襷に長し ... うーんイマイチしっくりこない! という事例にもしばしば出くわします。

当方で制作させていただく場合には、お客様に合わせて「テーマそのものを作って」Webサイトの体裁で納品させていただくことがほとんどです。既製の無料/有料テーマに対して、オリジナルテーマという呼ばれ方をします。

オリジナルテーマを作ることによって、他所とイメージが被らず、自社のサイトであることが一目瞭然の外観となり、また(ここが重要なのですが)自社サイトに持たせたい機能を・自社に適した具合にチューニングすることが出来ます。

冒頭にでご紹介した自社の商品紹介だったり、あるいはBefore/Afterギャラリー等々、スモールビジネスのコアとなっている要素を、本業に貢献しやすくする形での柔軟なアレンジが可能です。

盲信して猛進しないための知識

デメリットは?

ここまで、アンタWordPressの宣教師? ぐらいの勢いでメリットを挙げて参りましたが(^_^;
もちろん、デメリットもあります。

  1. 速度
  2. セキュリティリスク
  3. 構築業者によるリスク

1 速度

まず第一に、速度面。動的にデータベースとやり取りして(=ウラ側の倉庫から情報を取り出して)表示画面を生成するため、静的サイトよりも表示は遅くなります。また、汎用高機能ソフトウェアゆえ、専用設計の(=余計なものが一切ない)システムに比べても、速度面では不利です。


2 セキュリティリスク

次に、少なからずセキュリティ上のリスクを抱えることになりますので、そこを認識したうえでのオペレーションが必要です。市場シェアが高いゆえに、悪意ある第三者からの攻撃に晒される危険が高いのです(LINEアプリや、Windowsが攻撃対象になりやすいのと同じですね)。

インターネットブラウザで管理画面にログインして使用するという性質上、パスワード突破 ⇒ 不正ログインされた場合には、自社のホームページが書き換えられてしまったり、さらには自社サイトが他のサイトへの攻撃の踏み台にされる恐れもあります。

当方が依頼を受けた場合、お客様にはパスワードポリシーに関してもご案内をしております。

安全で覚えやすいパスワードの作り方+運用のコツ

経験上、多くの方々がかなりヤバ目のセキュリティ意識しか持っていない状態(容易に推測できるパスワードを使用していたり、1つのパスワードを複数のWebサービスで使いまわしていたり...)であり、それを普通だと認識しているという現実があります 汗

更に言えば、WordPressはオープンソース=無料かつ、プログラムの中身も公開されていますから、攻撃者にとっては突破口を探すのもやりやすいという性質を持っています。

ある大学のサーバーでは、情報システム部門の方針によりWPインストールの許可が下りなかったという事例もあります;

従って、本体のメンテナンスや、セキュリティ意識の向上&実践が必要になります。パソコンやスマホのOS・アプリと同様、WordPressも脆弱性の修正、アップデートが欠かせません。

静的HTMLサイトの場合には、こういった問題とは無縁です。(もちろん、サーバーそのものに不正アクセスを受けないようなセキュリティは必要となりますが。)


3 構築業者によるリスク

WPサイトは、中長期的に見たときのコスパが最高にもなり得ますが、その真逆で最悪の状態にも陥りやすいと感じております。

シェアが高く・ネット上に情報が多いCMSですので、素人からプロまで ”WPを扱えるという” 人口は多いです。しかしながら、構築を業者に任せるという場合 ... ちゃんとやってくれる業者(人)と、そうでない業者(人)との差が極めて大きいので、注意が必要と思います。

ちなみに ”Web制作会社” さんに頼んだ場合、その会社が構築を行う場合もあれば、僕らのようなフリーランス・SOHOに仕事が再外注 (丸投げ?^_^;) される場合もあります。制作会社さんのスタッフがやるにしろ、再外注先がやるにしろ、結局は「実際にやってくれる人がどんな塩梅か」によって、良し悪しがカナリ左右されます。

経験上、いい加減なやり方でいじくりまわされて中身がグチャグチャになり果てたWordPressサイトほど、サイトオーナーに害悪のあるものはない ... と感じております。

手直しやリニューアルをしようにも、なまじその状態での投稿数が多かったりすると小回りが効かず、状態改善のための工数を押し上げる(手直しやリニューアルのための労力が膨大となり、費用が高くつく要因になる)⇒ 中長期的に見た場合コスパが最悪になる、という構図です。

たとえ話で言うならば、間違った健康法や薬を飲み続けたことによって心身の状態を著しく損ねてしまうと、普通の状態に回復することすらカナリ大変になってしまう、治療費も高額になる...ということに似ていますでしょうか。

業者選定の際には、安さや愛想よりも「ちゃんとやってくれそうか否か」を重視されることを強くお勧めいたします。


WordPressでない選択肢が正解の場合も

また、非常に高機能ではあるものの、万能ではありません。これこれこういうことがやりたいんだけど、どうにも痒いところに手が届かない感じ … そういった場合には、そもそもWordPressがその目的に適していない場合があります。

問い合わせをいただく中では

え... それWordPressでやるんスかmjd?
無理繰りWPで実装するのはどうかと思いますが...
(手段が目的化してるってやつじゃね?)

。。。と、大きな声では言えませんでしたが、小さな声でご意見をお伝えしたこともあります (^_^;

WPで何とか実現しよう、という気持ちもわからなくはないですが、フルスクラッチ = イチから専用設計で、その用途にピッタリの動的サイトを構築した方がベターかな? という視点での検討も行うべきかと思います。

もちろんWordPressは素晴らしいもので、僕もその恩恵に与っています。Excelと同じぐらいか、それ以上に不可欠なツールと感じております。

それでもなお、万能ではないのだということ、目的によってはWPが向いてないこともあるのだ、手段を目的化することがあってはならないということは、忘れずに頭に置いておきたいですね。

[ 参考:(フルスクラッチ) Webシステム設計・制作 ]

まとめ:総合的には素晴らしいツール

なんだかんだ書いていますが(^_^;
総合的に見て、WordPressは魅力的なツールです。 様々な用途でGoodな選択肢になり得ます。

当方も、制作実績には載せていないもの(非公開のものも相応の件数があります)を含み、いろいろな業態のWPサイトを作ってきて ・・・ その実感として、やはり現状では、WPのもたらすメリットは他に替えがたいものがあります。

メリットを考えると、リスクはあっても

自動車やパソコン、インターネット … それぞれ、利便性 > リスク となっているため、皆さん気を付けながら使っていますよね。交通事故の危険は常に付きまとうものの、クルマが無い社会は考えられません。リスクや弊害はあっても、インターネットにつながらない生活に戻れるかといえば、カナリ難しいことではないでしょうか。

WordPressも似ています。事故を起こさないように、事故に遭わないようにするためには、一定の知識と労力(管理を外注するなら費用)が掛かりますが、それでもなお利便性を享受する方を選択する人が多い、という具合です。

特徴・メリット・デメリットを表にまとめておきます。

CMSの別による特徴比較
  静的サイト(CMS無し) WordPressサイト 専用設計の動的サイト
日々の更新
(定型的更新)
HTMLの知識が必要
一般的には制作元に依頼するのが吉
専門知識不要
ブログ投稿の要領で自社更新可能
制作元に依頼の必要なし
そこに特化
自社側での更新を前提に作りこむため
もちろん制作元への依頼は不要
構造変更 専門知識が必要
WordPressの中身を扱える人口は多いため
制作元以外での対応も全然アリ
制作元に依頼が吉
費用もそれなりに必要となる場合が多い
機能追加 --- 容易
ブラウザに拡張機能を入れるような
手軽さ・使い勝手・ニュアンス
SEO・集客 業態・条件・作り方次第
制作元の協力が不可欠
向いている
自社更新のみでも、運用次第で絶大な効果を発揮
業態・条件・作り方次第
最初の設計に左右される
速度 確実に速い
「用意してある紙をパッと出す」イメージ
遅くなりがち
「言われてから紙に書き出す」イメージ
汎用のブログエンジンゆえ
自社サイトには不要な機能も満載
用途・設計次第で速く作れる
「言われてから紙に書き出す」イメージ
しかしながら専用設計のため
必要最小限の機能=スリム・軽量にできる
セキュリティ
リスク
低い
攻撃される箇所が少ない
データのバックアップ&復元も容易
(ファイルをコピーするだけ)
高い
ソースコードが公開されている
高い市場シェア=攻撃者にメリットが生まれる
(LINEやWindows並みに狙われやすい)
おおむね低め
ログイン型の管理画面があっても
そこ1社の専用プログラムをクラックするのでは
攻撃者にとっての労力対効果があまりにも低い
イニシャル
コスト
廉価 (小規模の場合)
一定規模以上はCMS有りが吉
コスパ良好
機能対比で考えると凄くお得
高価
世界で1台だけのクルマを作る感じ
中長期的な
コスパ
良くも悪くもなる
業態・条件・更新頻度に左右される
最高にも最悪にもなる
目的・設計・作りこみ・運用次第
良好
( ... にならない場合は設計ミスです)
左右スクロール出来ます

構築費用

サイトの目的と、予算・希望をお伺いしたうえで、何をどこまでやるのか、費用の掛けどころ・抑えどころの妥当なラインを見定めてゆくのが良いと思います。詳しくは「価格・費用について」のページをご覧くださいませ。

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