[連載#1] フリーランスのホームページ制作業者って大丈夫なの? 大雑把に2つに分けてみた

ホームブログ思考・勘所[連載#1] フリーランスのホームページ制作業者って大丈夫なの? 大雑把に2つに分けてみた

🙂 はじめに 🙂
当記事は、主に中小企業・個人事業主で「発注先のホームページ制作業者を比較検討している方」に向けて書いております。部分的にでもお役に立てば幸いです。

どこに頼もう? 検討する際 …

一般的には ・・ キーワード+地域名等の検索で

ホームページ制作会社 名古屋
ホームページ制作 フリーランス 名古屋

といった形で探すことが多いでしょうか?

あるいは、知人のツテを辿って ・・ というのもよくありますね。

Webサイト作ります! を看板に掲げているところは、会社・個人事業主ともに膨大な数が存在します。

夜空 天の川
星の数ほど … というと大げさですが;

特に資格も要りませんし、スキルとPCがあれば開業できてしまうこともあり、極めて参入障壁の低い業界です。ハッキリ言って供給過剰(ニーズに対して業者大杉)、赤潮大発生なレッドオーシャン。現在進行形で新業者が勃興し、そして淘汰されてます。

千差万別、リアル玉石混淆です。

発注を検討している側にとっては、価値観のピッタリ合う業者さんを探すのも・選ぶのも、カナリ手間がかかって大変だと察します。

お医者さん選び・美容院選び・習い事選びなんかとちょっと似てるかもですね

失敗したくない、という心理からか

ネット上には

ホームページ制作をフリーランスに依頼して大丈夫?

的な議論・記事も多数あるわけですが、、結論から言うと

・・・大丈夫に決まっとるやん🤨 でも人によるやろなぁ

で ファイナルアンサー(死語)ですよ。

  • 個人経営の美容室に行っても大丈夫?
  • ピアノ教室はYAMAHAじゃなくても大丈夫?
  • 塾じゃなくて家庭教師雇うの?大丈夫?

なんて議論 ・・・ 正直、失礼極まると思うんですけどねぇ。
対象がWeb制作フリーランスなら失礼じゃないんでしょうか(哀)

発注者と制作者の価値観・相性が合うような、素敵な出会いがあるか否か。

ただ、美容院や習い事なんかより、Web制作業者の良し悪し・合う合わない ・・・ が、なかなかわかりにくいということは事実だと思います。

だからこそ僕たちWeb屋は、わかりやすく咀嚼して説明することが肝心。

ちょっと1回ではエッセンスを網羅できないと思いますので、何回かに分けて不定期連載にて ・・・ 初回、まず「特徴を知る」ところから

について記します。

2回目以降、

  • フリーランスは割安? コスト要因は固定費だけじゃないよ
  • 制作会社とフリーランスでは、成果物の質と量にどんな違いがあるの?
  • よくあるDisり文句「フリーランスは作るだけ」は本当?
  • 中小企業・個人事業主の皆様へのアドバイス

などについて記してゆきたく思います。

制作会社とフリーランス、最大の差異

それは、組織で動くか・個として動くか、に集約されます。

何当たり前のこと言ってんの? と思われるかもしれませんが;
Web業界でも・他の業態でも共通するエッセンスにまで咀嚼して
組織(会社)と 個(フリーランス)の特徴を比較してみましょう。

組織(会社)の特徴

  • 複数人の力を集めて成果につなげる
  • 統率の役割を担う監督と、個々のポジションの役割を担うメンバーから成る
  • 意思決定・意思統一はミーティングによって行われる(手続・時間を要する)
  • 組織内でのアイデア交換による様々な効果が見込まれる
  • 各個人が専門分野を追求しやすい
  • 統率者は総合的なアウトプットを出す手腕が求められる
  • サラリー制で成り立っており、維持には一定の固定費が掛かる
  • メンバーのモチベーションは組織運営や評価方法などによっても左右される
  • 改善提案が組織に採用されるとは限らない
  • (役員はもちろん経営者視点だが)メンバーは担当者視点であることが多い
  • メンバーは流動する可能性がある
  • フリーランス・自営業の経験者が多いわけではない

個(フリーランス)の特徴

  • 個の力を総動員して成果につなげる
  • 自分自身が 監督 兼 プレイヤーである
  • 意思決定は自らの責任で行う(迅速な決断・レスポンスが可能)
  • アイデア交換での効果を求めるには横のつながりが必要
  • 専門分野に特化するのも、総合力で勝負するのも自分次第
  • 成果が収入に直結しており、固定費は低め
  • モチベーションは顧客との関わりかた、生存戦略などに左右される
  • 思い立ったが吉日、改善案をすぐ実行に移せる
  • 常に経営者視点(でなければ淘汰されてしまう)
  • 自分自身がビジネスの看板であり、他者による代替は不可能
  • かつては組織に属していた場合が多い(組織のことも身をもってわかる)

・・・ いかがでしょうか?

フリーランス、捨てたもんじゃなくないっすか? 大丈夫そうっスか?

ともあれ

これらの特徴の差異が、依頼者・発注者(=お客様)にとってどのようなメリット・デメリットにつながるのか、連載を通じて紐解いてゆこうと思います。

今これを読んでくださっているあなたも、一緒に考えてみていただければ幸いです。

フリーランスを大雑把に二分すると

ひとくちにWeb制作フリーランスといっても、ホント千差万別です。

千や万の別を、ここでは大雑把に2つに分けてみましょう。

  1. 直請・ひとり一貫体制型
  2. 下請・専門分野特化型

1直請・ひとり一貫体制型

カタカナで言うと「ジェネラリスト」タイプ。

ホームページを作りたいと思っているお客様から直接の問い合わせを受け、打ち合わせから制作・納品、アフターフォローまで、ひとりで一貫して担うタイプの人です。
(製造業で言うところの「セル生産方式」や「職人の手造り」に似ていますね)

全工程をひとりで所掌するため、要求される知識・スキルは多岐に渡ります。
(対人スキル・マーケティング・デザイン・コーディング・プログラミング・文章ライティング・SEO etc)

スポーツに例えるなら、陸上の十種競技、総合格闘技の選手のように、包括的な技術体系を身につけ、総合力で勝負する ・・・ といった感じです。お医者さんに例えるなら、総合診療が可能な地域のクリニックにあたるかと思います。

直請・ひとり一貫体制型の長所
品質面自分自身がディレクター 兼 制作者なので、お客様に伺った内容を成果物にダイレクトに反映させることが出来る(伝言ゲーム的なブレが発生しない)
価格面事務所の固定費が安く、更に中間の管理費用もなく、代理店マージン等も発生しない、いわゆる「製造直売」であるため、お手元に届ける際の価格は確実に安くなる。
対応面首尾一貫。意思決定を(誰かに確認を取らずとも)すべて自分自身の責任・裁量で行うため、迅速なレスポンスが可能。
その他仕事の成果、顧客満足度向上に集中できる。いらんこと(社内の誰々さんの顔を立てる等)にエネルギーを割く必要が無く、シンプルに・本質的な行動を取れる。

分業体制で時として問題となる「担当者に伝えたのだけれど、それがデザイナーやプログラマーに充分伝わっておらず、成果物に反映されていない・・」といった、もどかしい温度差が発生することはありません。

同様に「社に持ち帰って検討します」「私はご要望に応えたいのですが、社としてNGだという判断が下りました」等のまどろっこしさとは一切無縁です。


大工さんに直接家を建ててもらう感じで…

大工イラスト
ひとりでデキるッス!

たとえ話ですが、注文住宅を。。。
設計事務所や工務店を通さず、いきなり

営業打ち合わせ含め、設計から施工まで全部一人で出来る大工さんに、直接建ててもらったと仮定すると・・・

中間マージンが発生せず
【大工さんの原価+適正マージン】
で済むわけですから、安く上がりますよね。

こうして欲しい、ああして欲しいといった要望も、直接伝えられるので話が早いかと思います。

もうお気づきかと思いますが、Web制作の世界では、これが実際にあり得るわけです。

営業も・打ち合わせも・そして設計から施工まで、全部高いクオリティの仕事をするフリーランスは確実に存在します。玉石混交の業界ですが、良いフリーランスに巡り合い、直接サイトを作ってもらうことが出来れば。。。「高品質なものを・廉価に」が実現します。


直請・ひとり一貫体制型の短所
規模面マンパワー的に1馬力であるため、大規模開発には向かない。直接請けられる案件はおのずと中小規模に限られる。
キャパ1馬力であるがゆえ、こなせる仕事量も1人分。臨界値を超えるとスローダウンしたり、健康がメルトダウンしたりする。
スキル広範囲をカバーすることになるため、1つの分野を突き詰めることについては専門家には及ばない(総合格闘家がボクシングルールで試合をしたら分が悪い感じ)

ちなみに当方(ジュウロクデザイン)は、この 直請・ひとり一貫体制型 = ジェネラリストです。お客様の総合的な問題解決のために、デザイン・プログラミング・文章ライティング・マーケティングなどの要素を組み合わせて貢献できるよう、日々精進しております。

・・・ 自分語り失礼しました;

次項、もう1つのフリーランスの類型です。どちらかというと、こちらの割合の方が多いのではないでしょうか。

2下請・専門分野特化型

カタカナで言うと「スペシャリスト」タイプ。

ホームページを作りたいと思っているお客様から直接仕事を受けるのではなく、間接的に・下請けのポジションで、部分的な工程を担うフリーランスです。
(製造業だと「外注加工屋」さんに相当します。マシニング切削、ウォータージェット切断、ヘラ絞り加工 etc)

自身の得意分野・コアとなるスキルを中心に、特定の工程を所掌する形です。「デザイン専門」「デザインとコーディング」「コーディングとプログラミング」のように。

コーディングする人
コーディングとは、視覚的なデザインをHTML言語に置き換える工程です

専門分野を掘り下げられる一方、サイト制作に必要な工程を全て担うわけではないため、広告代理店さんや制作会社さんからの外注依頼を受けて仕事を行ったり、他の工程を得意とするフリーランスさんと協業して1つの案件にあたることが多くなります。

分野特化型のフリーランスは、スポーツならハンマー投げやボクシングの選手、お医者さんなら耳鼻咽喉科や眼科など、個人経営で専門の診療科を掲げているところに近いニュアンスですね。

下請・専門分野特化型の長所
スキル受け持つパートに対する掘り下げ、狭く・深くが可能になる。同一工程をこなす回数が増えるため、専門分野のスキルを磨ける。
品質面スキルを極め、その道で一目置かれるスペシャリストにまで到達出来れば、依頼者満足度を高めつつ制作者が得られる報酬も高くなってWin-Winの関係を築ける。
規模面フリーランスでありながら、分業・協業によって規模の大きなプロジェクトにも携わることが出来る。案件規模の対応範囲が広がる。

例えば「真田丸」のタイトル文字で有名な挾土秀平さんは、左官を極めて芸術にまで昇華させた、スペシャリスト中のスペシャリストではないかと思います。唯一無二であり、代わりの人は居ませんよね。

同様に、Web業界に於いても ・・・ 特にフロントエンドエンジニア・CMSディベロッパーなどの分野で業界の先端を走るトップランナー、高度な技術を持つスペシャリストは、フリーランスでありながら顧客満足度と自身の報酬の双方を高くすることが可能かと思います。


どの業界にも見られるピラミッド構造

よくある元請・下請・孫請の流れのイラスト

建築業界に限らず、この流れ・産業構造は一般的ですよね。Web制作でいえば、ゼネコン = 広告代理店、設計事務所/工務店 = 制作会社、職人さんたち = 専門分野特化型フリーランス、という具合になります。

工務店さんやWeb制作会社が、自社で全て内製が出来るよう正社員スタッフを抱える場合もありますが ・・・「必要な時に職人さんに外注で頼む」形とすることで、仕事量に合わせて経費をコントロールすることが出来、大きな人件費を抱え込まずに済みます。

職人さん/フリーランス側からすると、コンスタントに仕事がもらえる発注先があれば営業努力等は不要になりますので、より自分自身の受け持ちパートに集中でき、スキルを磨きやすい環境に身を置くことができます。


下請・専門分野特化型の短所
仕事量仕事の大部分を特定の経路に依存している場合、潤沢な時は問題ないものの、元請けや上流工程側の事情や一存で、突如仕事がゼロになることがある。
歯痒さ(指示を受けた作業が)エンドクライアントにとって重要なのか、それとも上流工程の誰かのためのものなのか判然としない場合がある ⇒ 本質的には不要なはずの作業が増えて工数・コストを押し上げてしまい、エンドクライアントにとっても・制作者にとっても不利益(Lose-Lose)となることがある。
要注意意思決定は上流工程でなされる場合が多く、自由度が少ない。上項のような問題に気づき、エンドクライアントにとってより良いと思われる改善提案を行っても、それが正論であるほど上流工程の反感を買うことがある。

どの業界でも、多重下請け構造の中では(多かれ少なかれ)目に見えない力場の中で、忖度を内包したやり取りがなされているかと思われますが ・・・ 皆様いかがでしょうか?

ちなみに当方でも(全体に占める割合は少ないですが)制作会社さんの下請けや、他のフリーランスさんと協業でのお仕事を承ることもあります。デザインのみを担当したり、その逆に他のデザイナーさんから回ってきたデザインをもとにコーディング・プログラミング工程を所掌したり、いろいろです。

完全分業な制作会社さん

対して、制作会社さんは各工程ごとに分業体制を敷いています。ディレクターの指揮のもと、デザイナー・コーダー・フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア・ライター・SEO担当など、数人のチームで1つの案件をこなす形ですね。

ミーティングのイメージ
メンバーは個々の専門分野を担当します

各パートのスペシャリストが自分の役割をこなす。まとめ上げる指揮官が居る。つまり、組織力で勝負するのが制作会社で、その点がフリーランスとの最大の差異と言えます。

スポーツでいうと ・・・ 監督と各ポジションの選手から成る、野球やサッカーのチームに例えられます。お医者さんなら、複数の診療科があり・科ごとの専門医を抱える中規模以上の病院、という感じでしょうか。

1つの案件に対して常に複数人の組織で動くがゆえに、費用も高めになるのが常です。制作会社の経営者は、メンバーや事務所の固定費をペイしなければなりませんからね。

制作会社でサイトを作ってもらうと高額になりがちな理由については、Web制作業固有の分業ワークフロー(中間のドキュメントや意思伝達)もコストを押し上げる構造的な要因になっています。

例えば、当方が(=直請・ひとり一貫体制で)50万円で作ってるサイトは、制作会社さんに頼んだら80~120万円くらいはするだろうなぁと。*過去7年間の実感値より

これは僕がディスカウントしてるとか、制作会社さんがボッタクってるというような意味合いではなく、先述の制作フローやコスト構造の違いが大きいと感じてます。連載2回目以降でそのあたりにも触れてゆきたいです。

産地偽装に注意?

本稿のラストに ・・ ちょっとした注意を1点だけ。

制作会社さんも、全てを社内スタッフで内製するばかりではなく、工程の一部をフリーランスに外注することがあるというのは先述の通りです。

外注・下請けを使う場合でも(原則的には)元請けさんが制作物に付加価値をつけるというのが王道ですよね。ファブレスのエンジニアリング会社や、自社企画ものを海外工場に製造委託しているアパレル会社のように。

しかしながら、表向き「自社で作ってますよ」という体で、制作工程のほぼ全てをフリーランス・SOHOに丸投げしている ・・・ となると、ちょっとニュアンス違ってきます。

一応ですが、今もしあなたがホームページの発注先を検討している立場であれば、下記のようなケースがあることも知っておくと良いのではと思います。

あるある? 中抜き・多重丸投げ構造

・・・ どこかで見たことのあるような見出しですが (^_^;

元請けは仕事の窓口としての商社機能を担い、実際の製造部門はその会社ではなく、下請け・孫請け先である ・・・ ということは、これまたどの産業でも見られる構造ですね;

  • エンドクライアントは、予算100万円で発注
  • 受注した制作会社が、下請けに50万円で丸投げ
  • その下請けが、孫請けに25万円で再度丸投げ

そんな極端な中抜き・丸投げがなされた場合、発注者にとっては大きなデメリットを抱えることになってしまいます。どう考えてもお金もったいないです。

ごっそり中抜きのイラスト
Lose-Win-Win-Lose?

コスト面のみならず ・・・

発注者としては「Web制作会社さんってスペシャリスト集団なんですよね!」という頭で依頼をしたにもかかわらず、実際作ったのは下請けや孫請けのフリーランスさんだった。もっといえば、クラウドソーシングに投げられていた。という風だと、、

えー; それってなんか話が違わない? というガッカリ感につながることも。

また、伝言ゲームよろしく、間に挟まるクッションが増えるほど要望はダイレクトに伝わりにくくなり、レスポンスの悪化や成果物のクオリティにまで悪影響が出てくることもあります。

敵を知り、己を知っても

アヤウイもんはアヤウイ ・・・ かもしれません(適当)

既に長文になっておりますが; 今回書ききれなかった内容については、また後日、連載第2回目以降に記してゆきたく思っています。

お客様にとって価値観の合う・しっくりくる依頼先を見つけられるといいですね!

検討の参考になれば幸いです。ご精読ありがとうございました🙂

(つづく)

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