アナログな要素こそが最重要
デジタルなツールも活用しますが、潜在客の心理をよく考えること、各方面への観察力・洞察力、学びを次に生かす … など、アナログかつ普遍的エッセンスこそが最重要と思います。
カタカナに振り回されず、普遍的な本質を
近年の「Webマーケティング」「Web集客」において、扱う情報の量と範囲はどんどん膨れ上がっています。SEO、MEO、リスティング広告、LP(ランディングページ)~ アクセス解析、ヒートマップ、セッションレコーディング、A/Bテスト … 略語・カタカナずらり。Web業界以外の方には、用語や概念を理解するだけでも長い道のりになってしまいそうなほど;
しかし、中核になるのは古くからあるエッセンス = 商売のコツ、商道徳といった普遍的要素です。そのシンプルな本質をWebを介して伝える/捉えるための ”補助手段” が、カタカナ概念やツール群です。
例えば、その昔(1980年代頃)パソコンは「一部のマニア向けの難解な道具」と捉えられがちでしたが、一般に普及して久しいですよね🙂 もうPC無しでの事務仕事なんて考えられません。
そろばん→電卓→PCと手段が変わるにつれ、業務効率やデータ保存・利活用の方法に劇的な変化がもたらされました。しかしながら、見積・請求や経理業務の本質が変化したわけではありません。
Webマーケティングの諸概念・各種ツールにも同様の構図があります。目的に沿ってやり始めてみれば・使い始めてみれば、難しそうに見えていたモノは案外そうでもなく、慣れてしまうものです。道具側も、ドンドン使いやすくなってますしね。
中小ビジネス向けWebマーケティング
中小企業・個人事業主にとっては … マーケティング・集客 について、そこまで潤沢に時間・予算・マンパワーを割けるわけでもなく、限られた資源の中でやりくりすることになるかと思います。
ですので、まずはごくシンプルに
- 相手の立場に身を置く ・・・ お客様の目線で考え抜く
- 敵を知り己を知る ・・・ 客観視・俯瞰視して分析・立案
- 自分の土俵で戦う ・・・ ランチェスター式「弱者の戦略」
といった、本質的な・普遍的な要素を重視し ・・・ と書くと
──── ちょっと待った! そんなこと言われんでも当然やってまんがな!
とおっしゃる方も少なくないかと思います; 釈迦に説法で失礼しました;
そーなんですよね。まさにソコで。商売上の取り組みとしてごく基本的なことを、Web特有の手段を絡めながらやってゆく … のが、中小ビジネス向けのWebマーケティングである! と考えます。
かく言うジュウロクデザインも、いただくお仕事の多くはWebサイトからの問い合わせが起点となっています。自身がアナログ思考重視のWebマーケティングを実践し続け、現在12年目となります。
プロセスとしては
- 潜在客・ターゲットユーザーが競合他社よりも自社を選ぶケースの仮説を立てる
- 仮説に沿って、潜在客・ターゲットユーザーの問題解決に役立つコンテンツを作成する
- サイトおよびキラーコンテンツの露出を高め、認知度向上を図る
- アクセス解析ツールを用いて効果測定を行い、仮説を検証する
- 継続的な改善および次なる施策の勘案・実践
というのが王道のPDCAサイクル。
以下、中小ビジネスオーナーさん自身で/当方がビジネスオーナーさんや担当者さんと力を合わせて行うWebマーケティング・集客の予備知識を記します。部分的にでもお役に立てば幸いです🙂
仮説立案
木を見て・森も見て
マーケティングというと、語感としてはどうしても「市場全体の傾向を掴んで上手いことやる」…的な空気をまとっていますが、市場を素因数分解するように見てゆくと、個人や少人数の「○○したい」に辿り着きます。広大な森林も、一本一本の木から成っているのと同様に。
- 木を見る = 虫メガネ的な・ミクロ視点から見る
- 森を見る = 俯瞰的な・マクロ視点から見る
木を見て森も見て、また木も見て。視点、距離感を切り替えながらみっちりと考えることで … 浮かび上がってくるものがありますよね!
勝てる土俵で戦う
マーケティングの話になるとよく出てくる「ランチェスター式・弱者の戦略(一騎打ちの法則)」について、ビジネス書より一節を引用します。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」─── 大きな牛のシリになるくらいならば、小さな鶏のくちばしになりましょう。つまり、大きな市場でビリになるよりも、小さな市場で1位になりましょうということです。(中略) 別に日本一とか業界一とか、県でナンバーワンでなくてもいい。あなたの街の特定の客層や年代で、もしくは、あなたの友人知人の中でも、小さな年商でいいからナンバーワンになれるものを探すことです。
【新版】小さな会社★儲けのルール / 竹田陽一(著), 栢野克己(著)
… コレならウチがトップを取れる! という条件を定義(仮説立案)し、そこで確実に勝ちにいく。
… ウチの仕事でこそ、顧客満足度が高まるのだ! という状況(自分の土俵)へ引っ張り込む。
潜在客のとあるニーズに対して、大手でも・近隣の競合他社でもなく、自社がサービスを提供してこそ「顧客にとっても幸せでしょ?絶対に!」と自信をもって言えるくらい … 自社製品や自社サービスとマッチングの良い「理想のお客様像」を思い描いてみると、仮説立案が捗ると思います。
いわゆる「ペルソナ」設定です。逆の視点から、自身が理想のお客様になっているケースを思い出してみても発見があると思います。
経営の神様、ドラッカーも言ってますよね。
重要なのは「顧客の創造(create a customer)」だと。
マーケット全体(customers)ではなく、いち顧客(a customer)を
満足させるサービスを提供することから始まるのだ、と。
木を見て森も見て、また木も見て。
そんな仮説立案段階で参考になるかもしれない記事・ページをご紹介します。
能動的にモテる! ゆるSWOT分析 ~ 魅力をわかりやすく発信
競合と差別化し・自社に合ったモテを引き寄せる! 戦略的思考法のご紹介です。
作業用のフォーマット(PDF・Wordファイル)& ノンフィクションな記入例も置いてあります。
ユーザーの視点を考える
サイトを閲覧する潜在客が、複数のサイトを見て比較検討 ~ 問い合わせに至るまでの心理を推し量りましょう。情報の発信者目線 ”偏重” とならぬよう、充分に注意が必要です。
健全なパクリ・不健全なパクリ
お客様からの相談を受けている中で … 時折「うーん」となる点として、【同業他社を参考にし過ぎる】【真似しようとする】というのがあります。自ら進んで類似埋没の道を歩むことにならぬよう、留意すべき点&コツをご紹介します。
仮説に基づくコンテンツの作成
受け手目線に配慮して
潜在客・ターゲットユーザーの問題解決に役立つような、有用な情報を発信しましょう。
ニッチキーワードこそ狙いどころ
ターゲットとなる読み手をしっかり意識して・何を伝えたいかを明確にして書くことが大原則。Web上で行う、ブランディングを兼ねたビジネスプレゼンテーションです。
わかりやすい文章が書ける!受け手に伝わる『PREP法』
頭にスッと入ってきやすい・理解しやすい文章を構成するテクニック。伝わる・伝わらない、受け手目線・・について、例文つきで解説してます。
文章記述が発信者目線偏重になっていないか胸に手を当ててチェックするとともに、外部からの客観的なアドバイスに耳を傾けるのも良いと思います。
また、コンテンツの毛穴?から「セールスに結びつけよう!」「買ってくれ!」「注文クレ!」感が滲み出すぎていると、逆効果になることがありますので … 要注意です;
実店舗でも、Web上でも、お客様は(購買検討者側の心理としては) ”自由に見て選びたい” ものですよね。過剰なセールス圧を受けると疲れてしまいます。そのあたりを踏まえ、上手いバランス感覚をもってコンテンツを作ってゆきましょう!
認知拡大・サイトへの誘導
いくつかの経路、いくつかのキッカケを
Webサイト訪問者の誘導経路を考えるには、潜在客・ユーザーが行動を起こす前段階の状態・心理を推し量るところからスタートします。
サイト訪問のキッカケの例
- 指名検索(店名・会社名などの固有名詞で検索)
- サービス名+エリア名 での検索(例:「酒屋 名東区」「接骨院 星ヶ丘」)
- その他キーワードでの検索(例:「スマホ依存 影響」「醤油 作り方」)
- 広告
- SNS
- クチコミ(他サイトでの紹介も含む)
- 印刷物のQRコード(名刺・チラシ・DM・商品ラベル 等)
サイトの設計・構築・運用をセットにし、Web以外のアナログ要素も含めて導線を勘考するのがベターです。例えば、実店舗がある場合は 立地・建物・看板が指名検索の強力な起点に なります。一方、非店舗型サービスでは別の工夫(SEO、広告、SNSなど)で認知度向上を図る必要があります。
Webマーケティングにあたっては、検索エンジン、特にGoogleの基本理念とビジネスモデルに対する正しい理解が欠かせません … が、一般には誤解されているケースも少なくないようです。下記ページに要点をまとめてありますので、よろしければご覧ください。
SEO (検索エンジン最適化)
アルゴリズムの裏をかいた攻略法は、一時は有効でも、やがて逆効果をもたらします。 「ユーザーに有用な情報を提供する」という原則に沿って、王道のSEOを実践してゆきましょう。
効果測定・分析
ユーザーの意図を理解する
サイト訪問者が、どこから・どんな意図をもってやってきて、どんな閲覧行動をしたのかを知ることは、サイト運用・継続的な改善の判断材料になります。各種ツールを用いて効果測定・分析を行いましょう。
代表的な計測ツールをいくつかご紹介します。
- Google Search Console Insights (アクセス解析 - 要約情報)
- QAアナリティクス (アクセス解析・セッションレコーディング・ヒートマップ)
- Matomo (アクセス解析・セッションレコーディング・ヒートマップ)
- Microsoft Clarity (セッションレコーディング・ヒートマップ)
- 豆知識: カタカナ用語説明
-
解説を読む (クリックで開閉)
アクセス解析 … いつ・どこから・どのページに訪問者がやって来たかを計測・記録するシステム。例えて言うなら、スッゴイ細かい交通量調査みたいなものです。
セッションレコーディング … Webサイトにやって来た訪問者の行動(スクロール・クリックなど)を、ドライブレコーダーのように動画で記録/再生するシステム。
ヒートマップ … Webサイト/ページのどこがよく見られて/クリックされているかを色分け・視覚化するシステム。降水量や海面温度をグラデーション色分けして表示するようなのを想像していただくと大体そんな感じです。
1Google Search Console Insights
https://search.google.com/search-console/insights/about?hl=ja
アクセス解析の要約情報を一覧できるツール。これさえ見ておけば大体の概要がわかるので万人にオススメです。アクセス解析:Googleアナリティクス (GA4) と、ウェブマスターツール: Google Search Console を連携させることで使用可能になります。
2QAアナリティクス
WordPressプラグインとして提供される日本製のアクセス解析ツール。基本部分は無料、課金すると使える機能が増えるフリーミアム型。Googleアナリティクスが使いにくいと感じている方にもわかりやすいインターフェースになっています。
3Matomo
アクセス解析+α の機能を持ったオープンソースのツール。オンプレミス版(自社サイトがあるサーバーにインストールして使用するタイプ)は基本無料で、有料プラグインによりヒートマップやセッションレコーディング、検索クエリ取得などの機能が追加可能。
4Microsoft Clarity
https://clarity.microsoft.com/
無料で使えるセッションレコーディング・ヒートマップツール。ユーザーがどのようにサイトを閲覧したのかを「ドライブレコーダーのように」記録された映像を見ることができ、行動理解・仮説検証に役立ちます。Matomoのビジットログ機能と併用することでカナリの威力を発揮。
目的に沿って、見るべきポイントを押さえる
ツール類はあれもこれも全てを使ったり、使用方法を完全にマスターする必要はありません。目的や達成したい事項に沿って、必要なツール/機能を取捨選択して使えばOKです。 (ご依頼いただいた際には、もちろんこちらで上手いことアレンジさせていただきます)
WordやExcelだって、自分の仕事を過不足なくこなせるだけの機能を知ってればまぁOK。業務を改善したり、チョイと便利にやれるぐらい知っていれば尚良し … ですよね。そんな感じで、(できれば)サイトオーナーさんや担当者さんにツールの使い方・見るべきポイントを把握いただくのがベターです。レクチャー・サポートもいたしますので、ご相談いただければ幸いです。
運用支援について
オーナーさん・スタッフさん自身でPDCAサイクルを回しながら、Webサイトを効果的に運用出来るようになるための「はじめの一歩」的なコツをご案内いたします。
仮説検証・継続的改善・次なる施策
効果を上げてゆくうえでは最重要とも言えるプロセスですね。アナログなユーザー心理&行動をデジタルなツールで計測し、そこから読み取れる本質を考える … 超アナログに。
おススメのツールは … 紙と鉛筆 です🙂
シャーペンも可
気付いたことを書き出したら、一晩寝かせて時間を置いてから再読したり、散歩や風呂など気分転換&血行が良くなる行動を挟むと効果的!と(個人的には)感じていますが … 皆さま如何でしょうか? 笑
仮説が当たっていたのか外れていたのかを検証し、改善方法・次なる施策を考えて実践。PDCAサイクルを回してゆきましょう!
まとめ
冒頭の再掲になりますが、
- 相手の立場に身を置く ・・・ お客様の目線で考え抜く
- 敵を知り己を知る ・・・ 客観視・俯瞰視して分析・立案
- 自分の土俵で戦う ・・・ ランチェスター式「弱者の戦略」
といった、本質的な・普遍的な要素を重視し、
- 潜在客・ターゲットユーザーが競合他社よりも自社を選ぶケースの仮説を立てる
- 仮説に沿って、潜在客・ターゲットユーザーの問題解決に役立つコンテンツを作成する
- サイトおよびキラーコンテンツの露出を高め、認知度向上を図る
- アクセス解析ツールを用いて効果測定を行い、仮説を検証する
- 継続的な改善および次なる施策の勘案・実践
という王道PDCAサイクルを … 時代やトレンドの変化に影響されない基本をシッカリ押さえたうえで、自社と顧客にピッタリ合ったWebマーケティングを実践したいですね!
個別のご相談も承っております。詳しくは お問い合わせ くださいませ😀