「XX屋 YY区」 といった語の組み合わせで ...
多くのスモールビジネスに於いて、このパターンでの集客を期待してホームページを作られることは多いのではないでしょうか?
そして、お金を払ってサイトを作ってもらうからには、キーワード検索で上位表示されるようにするのが制作業者の責務であり、当然のことである! と思ってらっしゃる方 ... いらっしゃいませんでしょうか?(^_^;
しかしながらそれは、例えるならば「あなたコーチでしょ! 金払ってんだから、アタシ当然オリンピック行けるんでしょうね? つか、金メダル取らせなさいよ!最低でも銅!」みたいなニュアンスになります;
もちろん、上位表示は可能です。当方のお客様でも、過去に何例も「狙ったキーワードでの上位表示」達成経験がございます。しかしそれは、制作者側の手腕のみではなく、依頼者様との協力・連携によって諸般条件が揃い/条件を揃える方向へ動かし、相乗効果を出せた! という場合です。
SEO (Search Engine Optimization:検索エンジン最適化) のページも併せてお読みいただきたいのですが、頼めばポンと結果が出るような魔法はありません。でも、上位表示を果たすための王道は存在します。
むしろ、ウチは魔法を使えます! 的な売り込みをしてくる業者さんには注意をすべきと考えます。老婆心ながら。
原理・原則、Googleのビジネスモデルを理解すべし
SEOの概要や原則、Googleのビジネスモデル、ユーザーファーストの重要性についてはこちらのページに記してあります(後からで構いませんので、またお目通しいただければ幸いです🙂)
以下、その原理・原則に沿って、より具体的に見てゆきましょう。
ローカルサービスのSEO基本
検索エンジンの在り方・動き方
- 大前提として、検索エンジンは検索者の利便性を第一にしており、あなたの店舗を上位表示するために存在しているわけではない。
- あなたの店舗が検索者の意図に合致していると思われる場合には、上位表示させようと動く。その精度を向上させるべく、日々アルゴリズム改善が続けられている。
つまり、検索者の意図に沿うということが最重要となります。そのために・・
ポイント
- どんなキーワードで上位表示されたいか決める
- Googleビジネスプロフィール(旧マイビジネス)に登録する
- Webサイト上に提供サービスをわかりやすく記載し、住所・連絡先を明記する
上記3点を行うにあたり
- 「検索者の意図を満たす・有益となる情報を提供する」が本質である
- 「(裏技的に)検索エンジンを攻略してやろう」という考え方は捨てる
例を挙げて解説しますので、皆様も一緒に考えてみてくださいね!🙂
Googleはユーザーファースト
「Googleビジネスプロフィール」への登録
実店舗を持つビジネスオーナーに向けては「Googleビジネスプロフィール」というサービス *があり、無償で利用できます。* 2021年11月、旧「Googleマイビジネス」より名称変更
既に登録して利用されている店舗も多いかと思います。もしまだでしたら、是非利用しましょう!
ビジネスオーナーにとって大変ありがたいもので、上記画像のキャッチコピー・説明にあるように「店舗のためのサービス」の側面を持ちます。しかし実は、検索するユーザーにとっての利便性を第一に考えて設計されており、店舗側としてもそこを理解をしておくと、本質を踏まえた上での活用がしやすくなります。
スッゲーまとまってて便利な感じで。
無料で使えるか、考えてみたことありますか?
そーいえば何でタダ?
”Googleビジネス” のビジネスモデル= 無料でサービス提供しても収益化される構造を意識してみてください。その原資には、 検索連動広告があります。
多くの人々が「パッと調べられて便利~」と、Google検索を使い続けてくれてこそ、広告を収入源としたビジネスモデルが成り立ちます。
つまり検索ユーザーの利便性が第一であることは絶対の要素で、Googleビジネスプロフィールが無料で使えるのも、検索ユーザーに貢献するべく、該当する店舗情報をわかりやすく要約表示するためにそうなっている、という構造と言えます。
事例1:ごくローカル(学区・校区レベル)、明確なキーワード
実際にある事例を見てみましょう。
例えば「極楽 ピアノ教室」で検索すると ・・・ * 極楽 は、ローカルな地名です
(2019年1月某日のスクリーンショットです。時期等により変動することがあります)
最上部には、Googleのビジネスモデルを支える [広告] (検索連動広告)が2件表示されていますね。クリックされた段階で、広告主に課金される仕組みになっています。
広告に続いて、キーワード検索結果(自然検索)としては1位のポジションに 「ぴちズミュージックスクール」のWebサイトリンクが表示され、右上にはGoogleビジネスプロフィール(旧マイビジネス)で登録した内容が地図と共に表示されています。
「極楽 ピアノ教室」というキーワードで検索するユーザーの ”検索意図” は、この地域にある最寄りの教室、ピアノを習えるところを調べたい、というものですよね。
Webサイトがあれば見たいでしょうし、概要・場所・近所にある他の教室のサジェストも一覧出来たら、検索者としては助かります。
Googleは、そこ=検索ユーザーの利便性を満たすこと、良好な検索結果を返すことを指向して「Googleビジネスプロフィール」というサービスを設計しています。
- ユーザーの利便性を満たすためには、店舗の情報をより正確に収集・表示させることが望ましい。
- それには、情報の提供者・ビジネスオーナーにとっても利用ハードルが低く、大きなメリットがあることが望ましい。
- あちらも立てて・こちらも立て、包括的なシステムとして上手く動かすには ...
というように、あくまでユーザーファーストが起点となって全体が動いている、という構図です。
検索者の意図が絞り込めない場合
事例2:ローカル but やや広いエリアのお店探し
別の事例を見てみましょう。「岐阜 ギター」で検索すると ・・・
(2019年1月某日のスクリーンショットです。時期等により変動することがあります)
最上部には、Googleビジネスプロフィールで登録されている数件の位置が表示された、当該エリアのMAPが出ました。これは検索ユーザーにとってはありがたいですね。また、広告は表示されていません。当該キーワードでは、検索連動広告を出している広告主がいないことが読み取れます。
更新してないのに
MAPに続いて、キーワード検索結果(自然検索)としては1位のポジションに、世界的ギターメーカーである「ヤイリギター」が来ていますね。納得の順位です。
2位の店舗「Good Strings」さんは、中古ギターの販売・買取・出張買取・修理を行っているショップです。2014年のオープンに合わせて、当方にてロゴデザイン・サイト制作を担当させていただきました。
その後、あまりサイトの更新はしておらず、実質的に作りっぱなし・放置に近いのですが ・・・ 5年ほど経つ現在でもなお、安定して上位表示を果たしています(なんと一時期まではヤイリギターよりも上、つまり1位でした)。
キーワードの具体性、抽象度
何故このキーワードに対しての順位が高いか、ということについて … 制作者ながら、特にあのヤイリギターを抑えて1位に来ているときは、出来過ぎの結果に「何故?」と思ってしまったため … 考察をしてみたのですが
これはGoogleが「岐阜 ギター」で検索するユーザーの意図を
- 売りたいのか:買いたいのか・修理したいのか、
- 習えるところ(先生や教室)を探しているのか、
- あるいは県内のギターメーカーを調べたいのか
細部まではハッキリ特定できない(抽象的である)
と見なしていることがその一因であろう、というところに辿り着きました。
然るに、それに沿った検索結果が返されている … と解釈すると納得がいきます。
ショップのWebサイトには「売る」「買う」「修理」「出張買取対応」と、ギターに関する幅広いサービスを行う旨が明記してあります。
ゆえに、先述の抽象的な検索ワードへの回答として、Googleに「ユーザーニーズを満たす適切なWebサイトである」と判断されている可能性が高いと思われます。
記載の仕方にも工夫がしてありますが、そこは競合他店に対してSEO上のクリティカルな情報提供になってしまうので ... ここでは伏せさせていただきます^_^;
他の要因も絡みます
もちろん、上記が全てではありません。他の要因( 同エリアの競合状況、競合他店のWeb施策の状況、検索クエリ~実際にサイトが閲覧されている状況、外部サイトからのリンク~流入状況などなど)も多く、総合的・相対的に順位が決まってきます。
しかしながら、やりようによっては、このように最も狙いたいキーワードで(サイトほぼ放置にもかかわらず)検索上位安定の状態をキープし、スモールビジネス・ローカルビジネスの追い風に出来る! という事例です。
まとめ
サービス全体の構造を理解し、Googleの理念に沿う形をとる
このように、検索上位表示を果たすには、その検索サービス提供主(日本国内の場合、実質的な検索市場支配者たるGoogle)のビジネスモデルはどうなっているのか、何を重んじているのか、を理解することが肝です。「急がば回れ」だと思います。
検索サービス提供主は、あなたの店舗を上位表示するために存在しているわけではありませんが、あなたの店舗が検索者の意図に合致していると思われる場合には、上位表示させようというロジックになっています。
上記を踏まえた上で、SEO (Search Engine Optimization:検索エンジン最適化) のページを繰り返しお読みくださいますと、理解がより深まると思います。必勝法、攻略法のような魔法はありません。でも、王道は存在します。よろしければ、力を合わせて良好な結果を得ましょう 🙂