既存サイト改善点…CMSが仇になっている例

先日、ある既存ホームページの改善点について意見を求められました。
(サイトオーナーさんからではなく、ワンクッション置いて間接的に)

他のところでも共通するエッセンスを感じたため、差し支えない範囲でこちらにも書いてみますね。

リングノートと電卓

一言で言うと

お店の良いところ・強みが、HPでは伝わっていない。
それどころか、サイトの主要コンテンツによって印象を落としてしまっている感があり、非常にもったいない状態でした。

パッと見OK、でも中を読むと

トップページをパッと見た感じでは印象悪くないのに
(お洒落な色使いで、綺麗に作ってある印象)

しかし、中身を読み進めると「あれれ。。」という印象に変わってしまいました。

つまり、見た目上のデザインの問題ではなく

  • 企画・プロデュース・ディレクション面
  • キャッチコピー&文章作成面
  • 運用サポート・フォロー面

それぞれのプロセスに残念なところがあり、負の相乗効果を出してしまっているように感じました。

CMSが仇に

そのサイトは、店舗のスタッフさん自身でコンテンツの更新が出来るような仕組み(CMS:コンテンツ・マネジメント・システム)を盛り込んで構成されたHPでした。

ところが、その枠組みを作ったものの、肝心の中身があまり充実していない状態 ⇒ 満たされない、枠・器だけがあるという感じになっていました。

特に、メインコンテンツとして位置付けられた部分。。中身がスカスカで(汗)空欄や、Coming Soon の文字、灰色ダミー画像が目立ってしまい・・・

これでは、CMSでサイトを作らない方がマシ

であり、普通のHTMLページとしてコンテンツを置いておく方が適切に思いました。

⇒ 制作工数・コストを突っ込むべき箇所はCMSの構築ではなく・・・

  • アナログな対面インタビュー・ヒアリングに基づき、お店の強み・良さを、制作サイドが十分咀嚼する
  • 響くキャッチコピー、良い文章を書き(ページ数を減らしてでも)コンテンツの質を上げる

このような部分に注力するのが望ましかったと思われます。
(※今から改善に着手するのなら、ポイントはソコ)

実は、活気も魅力もあるのに

かなり後になって辿り着きましたが
そのお店のFacebookページには、感じの良い投稿が並んでいました^^

また、お店の方によるワープロ/手作りの紙面には、活気がみなぎっていました。

・・・サイトから受ける印象と正反対です。

  • サイト:パッと見OK、読むと残念、放置閑散感 (´д`)
  • 紙面:見た目は素人作りだけど、内容は凄くハツラツ!p(・v・)q

ということは、情報発信のモチベーションや更新のネタが無いわけではなく「サイト更新作業が煩わしい・CMS使いにくい ⇒ 敬遠 ⇒ 放置 ⇒ 諦め」という点が問題だと思われます。

方策2種

CMSを使った、自社更新型HPの構造を維持するなら
  • 操作方法のレクチャーを受けて、自社更新を行えるようにする
  • 発信したい内容を業者さんに伝えて、更新作業は代行してもらう
或いは、CMSを持たない通常のホームページに構造変更して
  • お店スタッフ側での日々の情報発信はFacebookページで
  • HPにはFacebookページのタイムラインを「見やすく」埋め込む
  • HPそのものを更新したいときは、都度業者に依頼

というような改善策が考えられます。

CMSが仇になっている現状を踏まえると、後者 = サイトの構造変更と、運用の流れを変える方がベターに感じました。

日々の事柄はFBページで気軽に発信できます。
いままでストレスになっていた、(わかりにくい)CMSの操作云々。。。折角あるのに活用できていない。。。という心理的な重荷からも解放され、良いスパイラルに突入できそうな気がします^^

引き算の美学

何でもかんでもCMS、自社更新・・が良いとは限らないですね。

*もちろん、僕自身このサイト含め、しばしばWordPressでサイトを制作してます。いやホント素晴らしいシステムだなぁ!と思ってますが、、、目的・用途、サイトオーナーさんの実情に合わないと、逆効果になってしまう場合があることを理解しておく必要があると思います。

また、CMSを使うにしても、アレもコレも欲張って更新できるような枠組みを用意し、ページ数や、要・メンテナンス箇所(≒管理事務負荷)を増やすよりは、

店舗サイドでの更新箇所をニュースとブログだけに絞り、サイト管理・運用に掛かる、時間的&心理的負担を軽くする方が適している場合もあります。

全体も部分も、客観的・俯瞰的な視点から見て、要らないものを省いてゆく・・・引き算の美学も大切にしながら、サイトの方向付けを企画し、細部が上手く噛みあうようプロデュースし、コストを掛けるポイントを見誤らないことが肝要だと感じました。

ツイート フォロー Facebookでシェア